【ニュース】 大建工業、日南町などと「木材総合カスケード利用」で事業化に向け基本合意、木材資源を有効活用 鳥取県日南町

2016.11.22
大建工業株式会社(大阪市北区、億田正則社長)は11月21日、鳥取県日南町(増原聡町長)・日南町森林組合(鳥取県日南町、平田広志組合長)・株式会社オロチ(鳥取県日南町、森英樹社長)と共同で、日南町の「木材総合カスケード利用」に関し、具体的な事業化に向けた検討を進めることで基本合意に達したと発表した。

木材総合カスケード利用とは、木材を建材等の資材として利用した後、ボードや紙等の利用を経て、最終段階では燃料として利用すること。
森林の維持管理から木材を伐採・搬出し、製材品・集成材・合板等として活用するだけでなく、端材や間伐材をチップとして繊維板や燃料などにも利用することで、貴重な資源を総合的に無駄なく、効率的に、余すことなく利用することを意味するという。

日南町は、中国山地の中央に位置し、町の面積に占める森林の割合が90%で、森林面積3万ヘクタール(人工林は約2万ヘクタール)を有する森林資源が豊富な地域。

同町では、これらの森林資源を生かした林業を町の基幹産業の一つと位置付け、「日野川の森林木材団地」を中心に、各種製材品をはじめ、
LVLや木材チップ製造事業など木材加工業にも積極的に取り組んできた。
一方で、過疎化や高齢化の進行が深刻で、林業就業者の高齢化も進んでいるため、豊富な森林資源を将来にわたって維持管理・活用していくことが難しい状況に直面しているという。

大建工業は、1945年に木材加工を祖業として創立した歴史をもち、主力工場の一つ・岡山工場では、1958年より製材端材などの木質チップを有効活用した製品「インシュレーションボード」を製造するなど、木質資源を有効活用する事業を運営している。

こうした状況の中、同社では、岡山近隣エリアで森林資源が豊富な日南町・日南町森林組合・株式会社オロチと、「木材総合カスケード利用」に関する協議を重ねてきた。
4者の基本的な考え方や、目指すべき方向性が一致したため、今回の基本合意に至ったという。

今回の基本合意を受け、4者は「日南町『木材総合カスケード利用』検討プロジェクト」(仮称)を立ち上げ、同町が保有する森林資源の可能性を最大限に引き出すための最適な活用のあり方を協議し、具体的な事業化に向けた検討を進めていくとしている。